バスに乗ってから約30分ぐらい。 都心からは離れた場所。 「まだ歩くの~」 「後少しだって」 「疲れた~…」 もう着くって……。 「ほら、琉莉」 「ん?」 「着いたよ」 「ん………あっ…」 琉莉は俺の服を掴むと、輝いた目を向けた。 「いいだろ此所」 「うんっ、すっごーい!!」 ガキん時父さんに連れてきてもらった場所。 その時見た風景が忘れられなかった。 「凄いっ…夜景凄いっ!!」 町外れの丘から見る、東京の夜景色。 まるで星空のような景色。