「なあ拓人〜合コン行かね?」


学校で聡汰と話していた





「だから、行かねーよ」



「おねが...」





バサッドサッ



「って、おい、大丈夫かよ?」



突然降ってきた教科書



「くっそ、いてーな!!誰だよ!!」



「あ!あの、ごめんなさい!!上でこけちゃって..大丈夫ですか?」



女を目の前にした聡汰は

「あ〜大丈夫大丈夫!拓人、不死身だから!!」

ほら、

そう言って聡汰は俺の頭を叩きだした

でも、目の前に立っている女が泣きそうだったから



「大丈夫大丈夫!そう、不死身だから!!」



そう言ってから、聡汰を本気で一発殴った



「おい!今のはいてぇよ!!」


ぎゃんぎゃん聡汰が言っている間に教科書を拾い
女は教室に戻って行った






その日の5限


俺はさぼるため屋上に行った




既に先客が居るようだけど気にせず、


先に居る奴の死角で寝転んだ





「だか..ら...おねが..い...ねぇ、好きな..の」



泣きながら電話でもしているのだろう

別れ話か、と思いつつ


聞いた事のある声に驚いた


「待って!!ねぇってば!!...うぅ」




静かになって


なんとく、本当になんとく

声のしていた方を覗いた





そこには、教科書を落とした子がいた





空を見上げ、静かに泣くその子に



きっと俺は見惚れてた




そして、ふと



目が合った





そっと微笑んで


彼女は




「えへ、振られちゃった」







と言ったのを聞いた次に






俺はそいつを抱きしめていた



「...ふっ...ふぇ」






泣き始めたこいつを













俺は守りたいと思った