「しかも、あいつの性格を思い返してみろ。『絶対あいつ、俺に気がある！』って確信するほど自惚れじゃねーよ。」



確かにそうだ、
連ってすごいなぁ。

少ししかあっきーと一緒にいなかったのに、こんなに人のことがわかる。


次はバトンタッチしたかのように、蒼が喋りだした。

「もし、あっきーが梨乃が好きだったとしても“好きだ”なんて言えねーよな？何でかわかるか？梨乃は自分に気が無いことわかってるから。関係を崩したくないから。
振られるに決まってるって思ってしまうから。勢いで告って、振られちゃったりなんかしたら今まで築き上げてきたこの関係も全て崩れて無駄になるから。


そんな賭けするような男じゃねーよ、あっきーは。
多分、本当に好きな人には好きなほど、慎重になる性格だよなー。」


と連に問いかけると、2人で笑い出した。
よくわからない。




「どっちにしろ、梨乃のことを好きでも好きじゃなくても“可愛い妹”って言っただろーな。“可愛い”って梨乃のこと、思ってる事だけは確かじゃねーのか？」




「そして、私よりも深く、特別な感情を持っていることには違いないこと、分かってないの梨乃だけだと思うよ──────？」



「え？」



「そうだな。」

連も同意した。