時間はあっという間に過ぎ、試験は、終わった。

殆ど書けなかった。
「どうすればいいんだよ」。
頭の中はそれだけだ。

死を受け入れるしかないのか?
出来る訳ない。
処分されるなんてたまらない。

家に帰ると俺は、
ベッドの中でひたすら考えこんだ。

このままじゃ間違いなく死ぬ。

何か。

何か策はないのか。
いくら考えても無駄だった。

それから、悶々としながら毎日が過ぎて行った。

そしてその日は来た。



『ピンポーン』。

チャイムがなった。
俺はその日も二階の自分の部屋に閉じこもっていた。

誰が来たのだろうと聞き耳を立てていると、母は何やら男と話しているようだった。

更に耳をそばだてると、俺は一瞬で凍りついた。

政府の奴らだ…。

俺の名前と、失格の言葉が聞こえた。