昼休みや放課後、私はひとり屋上に行って、ぼんやり過ごすようになった。

教室にいれば一緒にお昼を食べる友達はいるけれど、よく晴れた日はどこかへ消えたいような気分になる。



鍵が落ちてきた四日後だった。今日と同じ、抜けるような青い空。

弁当を持って教室を抜け出し、私は屋上へ出る扉に鍵を差し込み、回した。

……いや、回らなかった。

いつも解錠する向きに解を捻っても、鍵は回らなかったのだ。


反対向きに回してみると、がちゃん、と音がした。

ノブを捻って押してみても、扉は開かない。ということは、私は今、鍵をかけたことになる。

ということは、鍵は既に開いていた、そういうことだ。



強張った指先に気づかないふりをして、私は再び鍵を回した。

部品があるべきところに納まるような音が響く。


今度は間違いなく扉が開いた。


そこで日光を求める広葉樹の葉のように、大の字になって眠っていたのが小坂だった。