自分の体に自信なんてない…
クラスの子たちに比べたら
胸だって小さくて
幼い体形の私
上杉君の大きな手に包まれた胸が
彼の体温で
熱くなるのを感じ
今まで感じたことのない
感覚に陥る…
でも…
まだ羞恥心の方が大きくて
つい、体を強張らせて
彼の手から逃れようとしてしまう…
「美羅…」
「…私、胸小さいし、恥ずかしいよ…」
「そんなことない…
美羅の体…綺麗だ…」
彼の囁きに
胸が苦しくなり
頭の中が真っ白になる
私の体が…綺麗?
嘘みたい…
もちろん、そんなこと言われるのも
初めて…
この後のことは
無我夢中で、よく覚えてない…
ただ、上杉君と一つになれた時の
あまりにも恥ずかしい自分の姿と
頭のてっぺんまで貫いた
燃える様な強烈にな痛みは
忘れることはできない…
痛がる私を気遣い
何度も動きを止め
辛そうな顔をする上杉君
「美羅が嫌なら
止めるぞ?」
女性なら
誰でも通る道…
好きな人と結ばれるんだもん
我慢できる…
言葉も無く
首を左右に振る私を
見下ろす彼の目は
今まで見た中で
一番、優しく澄んでいた…
全てが終わり
グッタリとベットに横たわる私を
彼は強く抱きしめ
何度もキスをしてくれた。
触れ合う素肌が
心地いい…
なんか…
一つの儀式を終えた気分…
私…もう、子供じゃない…
女になれたんだ…
その夜は
上杉君と会話を交わすことなく
静かに眠りについた。