私は上杉君と、付き合ってるんだもん。
もう聖斗のことは
忘れなくっちゃダメなんだ…
「…上杉君のこと…
真剣に、好きだよ」
「じゃあ、問題無いよ。
お泊りしちゃいなよ!」
「えっ…」
「好きな人と、そうなるのは自然なことだし
別に悪いことじゃないもん」
アッケラカンと、そう言う恵美里を見てると
私の悩みなんて
大した事無いように思えてくるから
不思議だ…
「後悔しない自信があるなら
私もいいと思う。
でも、迷ってるんなら
ハッキリ断るのも必要だよ」
恵美里とは対照的に
智可の言葉には重みがあって
いつも的を得ている。
ついつい、頷いてしまってる私。
「こんなの初めてだから
もう少し考えてみるね…」
「そうだね」
今更ながら
彼女たちが友達で
本当に良かったって思う。
私一人じゃ、どうしていいか
分からなかった…
それからの私たちは
ガールズトークで盛り上がり
気付くと、もう7時すぎ
「そろそろ帰るね」
「うん」
私たちが部屋を出ると
丁度、聖斗が帰って来たのか
自分の部屋のドアを開けようとしていた。
「あっ…」
私たちに気付いた聖斗が
キョトンとした顔で
ドアを開けける手を止める。
「美羅の…友達?」
「は、はい!」
真っ先に返事したのは、恵美里
声のトーンが、普段より
かなり高い。
「もう帰ります。
お邪魔しました」
ひれに比べ
いつもと変わらず
冷静な智可
「そう、おやすみ」
聖斗がほんの少し微笑んだ様に見えた。
どの位この笑顔を見てなかったのかな…
思い出せない…