嘘だ…



だってあの時、あたしは手を払われた



触るなって言われてるみたいに




「千夏…俺、颯人を忘れさせることやっぱできねー」




と、悲しそうな声




「忘れさせてやるって思ったけど…颯人も千夏を好きなら俺、無理だわ」




「颯人は…あたしなんか好きじゃないんだよ」




あたしはやっと言葉を発した




「颯人は…毎年、正月は町に帰ってきてた。千夏に会うために」




あたしはその時、初めて翼君の顔が見れた