あたしと翼君は屋上にいる



空はあたしの気持ちと比例するようにどんよりと曇っていた




「…咲良、千夏を本気で心配してるからな」




翼君は座りながら言った



わかってる…



あの涙で痛いほどわかった




「千夏は…颯人が好きなんだろ?」




あたしはそう問われた時、翼君が見れなかった



翼君の表情を見たくなかった




「颯人は…まだ千夏のこと好きだよ」