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彼と出会ったのは、中学2年の秋。


その時、ちょうど予備校の帰りだった。




「んー……」


参考書を見ながらスタスタと歩く。




"ビューッ"と、冷たい風が吹き抜ける。


今は秋なのに風が冷たいせいか、マフラーがないと外に出られない。




「うー……。寒いっ」


参考書を閉じて、近くのベンチに座った。




はあ……と息を吐き、手をこすって温める。


ほんとに秋?って思うくらいの寒さだ。




「……寒いっ」


寒さからか言葉があんまり出てこない。




手がかじかむ。