「……はあ」


ため息を零し、教室の中へと入った。




「あっ、おはよう葉月」


席に着くと、幼馴染みの真由子が満面の笑顔でそう言った。




「……おはよう」


はあ……その満面の笑顔はなによ。




「今日も伊吹先生カッコいいよねー♪」


真由子が満面の笑顔を浮かべる。




「……はあ」


真由子、アンタ目がハートになってるよ。




福永真由子。


同じく高2で、小学生からの幼馴染み。




「伊吹先生ってほんとに王子様みたいだよねーっ」


真由子がケータイに写るアイツを見て、嬉しそうに言った。