「待てよ葉月ーっ」


?!?!




足を止めて振り返ると、アイツが私の真後ろに立っていた。


……なっ、なんで伊吹が居るのよ!!




「……なんですか?伊吹先生」


私はそう言って首を傾げた。




「なんで無視すんだよ、お前は」


目の前に居る数学教師一名が、唇を尖らせてそう言った。




「……無視なんてしてません。失礼します」


アイツに軽く頭を下げてから、また歩き出した。




とにかく、一刻も早くこの場から逃げたかった。


アイツと居ると、自分がおかしくなりそうだから。




……ったく、なんなのアイツ。


毎日しつこいのよ。