「……はあ」


ため息をついたその時……。




「新山さん」


誰かに声を掛けられた。




「はい?」


顔を上げると、黒髪の可愛い女の子が立っていた。




「伊吹先生が呼んでるよ」


「はっ?」




いやいや、なぜに?


なんで私を呼ぶの?




「なんか、数学で使う資料運ぶの手伝って欲しいんだって」


「……うん、わかった。教えてくれてありがとう」




私はすぐに席を立って、アイツの所に行った。


まったく。近付くなって言ってんのになんでわかんないかなあ。




毎日毎日しつこいんだよーっ。