"きゃああああああ!!"


朝校門をくぐると、またいつものようにアイツが女の子に囲まれていた。




「……はあ」


またニコニコと笑顔浮かべてるし。




昇降口で上履きに履き替えて、廊下を歩く。


その時……。




「おはよう葉月」


ポンッと肩を叩かれ、爽やかな笑顔を向けられた。




「……おはようございます」


肩に置かれた手を振り払い、そのまま足を進める。




「なんだよ。相変わらず冷たいなあ、葉月は」


伊吹が頭をポリポリしながらそう言った。




「……私はいつもどおりです」


私は短くそう答えた。