「ねーねーっ、ケーキ食べてこ」


廊下を歩きながら真由子が言った。




「うん。いいよーっ」


髪の毛を二つに束ねながら頷いた。




「やったあ♪じゃあ行こーっ」


「はいはい」




私たちはローファーに履き替えて、昇降口を出た。




そして校門を出ようとしたその時……。


……ゲッ!!




アイツの姿が目に入ってしまった。


やっぱりいつものように爽やかな笑顔を振りまいて手を振っている。




「あっ、伊吹先生だ!!」


真由子が目を光らせる。



……ちょっと、なんで伊吹がここに居るのよ。