「よーし。じゃあこの問題を5分で解けー」


伊吹の一言に、みんながなにかをブツブツ言っている。




「…………」


早く授業終わらないかなあ。……と問題を解きながら思う。




もうすぐ昼休みだっていうのに、4限目が数学なんてほんとにサイアク。


早く終わってよ、数学。




「せんせーっ、これでいいの?」


「どれどれ?……あーっ、全然違うぞ」


「えーっ、マジ?」


「マジ。いいか、ここはこれをここに代入するんだぞ」




女の子の呼び掛けに、爽やかな笑顔を向ける伊吹。


得意気にやり方を教えてる。




……なによ伊吹のヤツ。あんなに鼻の下伸ばしちゃってさ。