「……失礼します」


準備室から出て行こうとドアノブを掴んだ。その時……。



ガシッ!


突然右腕を掴まれた。




「ちょ、ちょっと……なんですか?」


伊吹をジィーッと見つめる。




「手伝ってくれたから、お礼してやるよ」


伊吹が余裕たっぷりの笑みを浮かべて言った。




「はっ、はい?」


お礼!?お礼なんていらない!!




ていうか離して!!


お礼なんていらないからその手を離して!!




「お礼なんていりません!!だから離してください!!」


掴まれた手をブンブンと振った。