教室を見回すと、松尾君が立っていた。




「新山さん、松尾君に呼ばれてるよ?」


後ろの席の子が、不思議そうに言った。




「あっ、うん」


私は席を立って、教室のドアまで歩いた。




「……どうしたの?」


松尾君に問い掛けた。




「ちょっといい?」


松尾君は首を傾げた。




「あっ、うん」


私たちは図書室に向かった。




「なに?松尾君」


松尾君をジィーッと見つめる。




「……あのさ、新山は好きなヤツとか居る?」


「え?」




い、いきなりなに?