「……え?」


「お願い……します」




私は伊吹先生の体に身を預けた。


……昔は伊吹先生が大ッキライだった。




「……わかった」


あんなに大っキライだったハズなのに……今はこの腕の中がすごく温かく感じるんだ。




告白された時は、こんな人と付き合うのは絶対にムリだと思っていた。


ほんとに大っキライで、近寄って欲しくなんかなかった。




"葉月"なんて呼んで欲しくなかった。


……抱き締めて欲しく、なかった。




なのに今は……"葉月"って呼んで欲しくて、抱き締めて欲しいんだ。


……もう一度、"好きだ"って言って欲しいの。