でもそれはもう昔の話。


今の私にはもう関係ない。




「……そう」


陸のお母さんは俯いた。




「でも今はもう関係ないんです。……陸はもう、私のそばには居ませんから」


私はそう言うと、お茶を飲んだ。




「……葉月さん」


陸のお母さんが、私をジッと見つめる。




「確かに陸のことは大好きでした。ずっと一緒に居たいと思ってました。……でも陸はもうここには居ないんです。だから陸のことはもういいんです。……もう、いいんです」


私はそう言うと、自分の足元にジッと視線を向けた。




「……そう、ですか」