「あっ、お母さんなら買い物に行ってて居ないですよ」


私はてっきり、この人はお母さんに用があるのだと思っていた。




「違うの。……用があるのはお母さんじゃなくて、あなたなんです」


この一言に、私は目を見開いた。




「……え?」


私は女の人をジッと見据えた。




「あなたが、新山葉月さん?」


女の人は首を傾げた。




「え?なんで私の名前……」


女の人は、私の言葉を遮るかのように言った。




「陸からいつも、あなたのことを聞いていたの」


私はその言葉に、開いた口が塞がらなかった。




「あなた、もしかして……」


もしかして……。