「……なんですか。……話したいことって」


伊吹と気まずくなってから丸二日。




この二日、伊吹と目も合わせることもなければ呼び出されることも、話し掛けられることもなかった。


それなのに突然、空き教室に呼び出された。




呼び出された理由は、私にもよくわからない。


伊吹に呼び出される時と言えば、伊吹が私に逢いたい時と手伝いをさせる時だけだ。




「あのな。……葉月」


……それ以外の理由なんて、私にはわかるハズなかったんだ。




「……なんですか」


伊吹のいつもと違う大人しげな表情に、私はただ伊吹を見つめることしか出来なかった。