【伊吹side】




葉月が図書館から出て行ったあと、俺はその場に立ち尽くしていた。


……葉月があんなに動揺するなんて、今まで見たことなかった。




「……葉月」


頼むから、もういい加減俺の気持ちに応えてくれよ。




俺、ほんとに葉月が好きでたまらないんだ。


生徒だってことはわかってるけど、それでも葉月が好きなんだ。




俺は教師で、葉月は生徒。


葉月の言うとおり、教師が生徒を好きになるなんておかしいと思う。




それは自分でもわかってるんだ。


……でもどうしても諦められないんだ。




葉月が好きだから。