「…………」


もう、なんでこんな時に伊吹が現れるのよーっ。




「なにしてんだ?」


伊吹が首を傾げた。




「……見てわかりませんか?本読んでたんです」


私はそう言うと、座っていた席に戻った。




「なあ、なんで俺が来るといつもイヤそうな顔するんだ?」


伊吹は私の隣りに座ると、そう言った。




「……嫌いだからです」


それ以外になにがあるのよ。




「お前、なんでそんなに俺が嫌いなんだ?」


伊吹は真剣な眼差しで私をジィーッと見つめてきた。




「……ムカつくからです。それとしつこいから」