気付いたら私は、教室の中に居た。


どうやって学校に行ったのかも、どうやって教室に入ったのかも、まともに覚えていない。




「葉月っ、次は移動教室だよ!!早くしないと遅刻しちゃうよ!!」


私が我に返ったのは、真由子のこの一言だった。




「……あっ、うん」


私はそのまま実験室に移動して、普通に授業を受けた。




……でも授業の内容なんかまったく頭に入らなかった。


その代わり私の頭の中に浮かんだのは……陸のことだけだった。




……陸はどうして、私にあんな手紙を書いたの?


どうしてあんなことを、手紙に書いたの?




陸……私、陸のことがよくわからないよ。