「うん。……ありがとう」


私はニコッと笑った。




「うん。じゃあまたね」


真由子は自分の席へと戻って行った。




「……ふう」


これで私も、少しは気持ちが楽になるかな?




だけどこの時の私は知らなかった。


……伊吹に私の過去を知られてしまうことを。




もうすぐ忘れられる。


……そう思っていたのに。




なんでこんなことになったんだろう……。


私がうかつだったせいで、また自分が傷付くことになるなんて……。




もし一度だけ願いが叶うのなら、私は多分"あの時の時間に戻りたい"と強く願うと思う。