「……よし」


私は近くの鏡で髪型を整え、ゆっくりと目的地へ向かって歩き出した。




「……ふう」


一歩一歩、目的地までの道を踏み締めて歩く。




そして……。


しばらくして私は、目的地に着いた。




「……陸、また逢いに逢いにきたよ」


私は陸のお墓の前で、陸が大好きだったカスミソウの花束を置いた。




「……これで、本当にもう最後だから」


陸に逢うのも、陸のことを想うのも。




「もう……本当に最後」


私は両手を合わせると、ゆっくりと目を閉じた。



「……陸、今までありがとう」


私は目の前にあるお墓を見つめながら呟いた。