「……私ね、わかっちゃったんだ」


いつまでも過去に囚われてると、自分が辛くなるだけってことに。




「もう陸のこと忘れても……いいよね?」


陸が死んでも、私はずっと陸のことだけを想ってきた。




「……陸のこと考えてると、余計に辛くなっちゃうから」


……もうこれ以上、陸のことを想い続けるのが怖いよ。




私ね……いつまでも陸が忘れられないことがこんなに怖いものだったなんて、思ってもなかったよ。


陸のことを想うと胸が締め付けられるくらい痛くなって……陸の眩しかった笑顔が、今までも瞼の裏に焼き付いてくるの。




それがすごく辛くて……正直苦痛だったんだ。