「……やだっ」


アイツの近くになんか、絶っ対行きたくない。




「葉月ーっ、お願い!!なんでも好きなものおごるからさ」


ウルウルした目で、私をジィーッと見つめてくる真由子。




「……はあ。わかったわよ」


そんなウルウルした目で見つめられちゃーねー。とうてい"イヤ"とは言えないでしょ。




「えっ、ほんと?!」


真由子が目を輝かせる。




「……うん」


仕方なく頷く。




「ありがとう葉月ーっ!!さすがあたしの幼馴染み!!」


真由子はそう言うと、私の両手を握った。




……それは褒めてるのかな?