それは……私にとって、サイアクな出来事だった。




「……はい?」


目の前にいる俺様数学教師が、わけのわからないことを言い出した。




「だから俺お前のこと好きになっちまったんだよ」


目の前のアイツが、そう言って頭を掻いた。




「……なに言ってるんですか?冗談やめてください」


目の前のアイツに、冷たい視線を向ける。




「冗談なんかじゃねーって。マジだから」


……マジでなに言ってんの?この俺様数学教師。




「……ふざけないでください。アナタ、自分の立場わかってるんですか?アナタは教師なんですよ?教師が生徒を好きになるなんておかしいと思いませんか?」