「うん。大丈夫だよ。ありが…」


「俳優の日悠君だよね?」


あたしが言い終える前に明咲が入り込んできた。


「え?うん。まぁ、どっちかって言うとモデルが主なんだけどね。」


苦笑いした日悠に女の子みんな『キャーキャー』いっていた。


「あ!君、名前は?」

いきなりあたしに話を振られてドキッとした。



「あ、あたし?」


「そ。君、名前教えて?」


「黒川陽奈…」


あたしは少し素っ気なく答えた。


それにしても素っ気なさすぎたかも…。



それでも日悠は気にしないようで、笑って言った。

「陽奈ちゃんか…可愛いね。」


あたしは、自分で顔が赤くなるのを感じた。


そんなの、みんなに言ってる口説き文句だよね!


あたしは、首を力一杯横に振った。