教室に入っても、日悠は手を離さない。

「離して。」


「あっごめんね?」


鳥肌立つ…。

やっと手を離して、席に着くと、あっという間に人に囲まれた。


「えっ!?二人、付き合ってるの!?」

一人の子…と言うか、みんなに聞かれて、戸惑ってると、日悠が王子スマイルで答えた。

「うん♪俺が一目惚れして…。」


一目惚れ!?

そんな可愛いもんじゃないし!!
「そっかぁ…黒川さん可愛いしねぇ…勝てる気しない。」

いやいやいや…出来るなら負けたいです。


「陽奈!!」

後ろを向くと、明咲が立っていた。

「明咲、おはよ。」


「おはよ。…って!!そうじゃなくて!!ちょっと来て!!」

そう言って、明咲はあたしを連れて、廊下に出た。