今思っても涙が出てくる。


とぼとぼ歩いていると、向こうから誰か来た。



「あれ?新入生だよね?」

顔を上げると、あの美人の先輩だった。
あたしが泣いてるのを見て、すごく心配してくれた。


そして、保健室に連れてってくれた。


「…で?どうしたの?」


「…えっと……」
ん‐何て答えたらいいんだろ…
「フラれた…とか?」
困っているあたしを見兼ねて、先輩が言った。


「え!?ちっ違いますよ!?」

「あら?違った?じゃあ…なに?」


「えっと…好きでもない人に…ファーストキスを奪われ…て…それで…」


「ん‐…まぁ、モデルやってるあたしからすると、キスなんてどうてことないけど…。一般人だしね?しかもファーストキスだもんね…。」


…はい?

「先輩モデルやってるんですか!?」

「知らない?愛弥って言うんだけど…ん‐あたしもまだまだって事か…。」

「ごめんなさい!!あたしそういうの疎いんです…。」

本当…全然わかんない。

すいません…。



「じゃあ、日悠とか…爽哉とか知らない?」

「あ…えっと…日悠君は…知ってます…。」


知らないわけない!
超うざい。

「そぉなんだ?何?ファン?」

「とんでもない!!嫌いです!!」
そう。あんなやつ…嫌い!!!