【日悠】

SGのファッションショーまであと１週間。

みんな気合いが入ってる。勿論、俺もその一人。


「日悠!!そこで止まるの5秒長くして。」

「はい。」


俺がステージから戻ろうとすると、遠くの方で陽奈が絵里奈に指導されてるのが見えた。

「あんたやる気あんの？あのねぇ、あたしこんな事、優馬さんに頼まれてなかったら、絶対しないの!!わかる!?あたしの時間あんたなんかのために割いてやってんの!!やる気ないんなら辞めれば!?」

あらら…陽奈泣きそうになってんじゃん。


「何であたしがあんたなんかに負けたのかわかんない…あんた、日悠君と付き合ってるんだって？」

「はい。」

陽奈がはっきり「はい」と答えたことがちょっと嬉しかった。

俺はステージを降りて、二人の会話を聞いた。


「どうせあんたが言い寄ったんでしょうけど、あんたが日悠君に釣り合うわけないでしょ？馬鹿じゃないの？」