式が終わって、簡単なSHRをやって解散。
あたしは、みんなが帰るのを見送った。
「陽奈帰らないの?」
「あ…うん。ちょっとね。」
「そっか…じゃあね。」
明咲は手を振って教室から出て行った。
明咲と入れ違うようにして日悠が入って来た。
「日悠君…話って何?」
あたしが聞いても無視して日悠は、ドアを閉めて鍵もかけた。
「日悠君……?」
不思議に思っていても、おかまいなしに日悠は言った。
「陽奈は俺の事どう思ってる?」
明らかに態度違う…
しかもあたしのことちゃん付けだったのに…呼び捨てになってるし…
じりじりと壁へ壁へと追い込まれて行った。
「どうって…」
ついに壁際に追い込まれてしまった。
そして、ダンッと音を立てて、日悠はあたしの顔のすぐ横に手を置いた。
ビクッとしたあたしは、泣きそうなのを必死にこらえた。
「じゃあ…」
日悠は真っすぐあたしを見て言った。
「お前、俺の彼女になれ。」
「…え?…ちょっとまっ」
あたしの言葉を遮って日悠は、唇に唇を重ねた。
え?キ…ス?
そのキスは段々と激しくなって日悠は舌を入れてきた。
「…んっ…やっ」
やっとの思いで日悠を離すと、酸欠になりかけの体に思いっ切り酸素をおくった。
すると目の奥が熱くなってきて、あたしの目から大粒の涙がこぼれ落ちた。