「私が綺麗?亜季の方が綺麗じゃん。」

私の言葉に照れて頬を赤らめる。


亜季は可愛いよ。


私みたいに刺々しくないし。


背中に痛いくらいの視線を感じながら、暗くなった夏の夜を歩く。



「ねぇ、君ら可愛いね。一緒にどっか行かない?」


目の前にチャラチャラした男二人が、行く先を邪魔する。


「…どいて。」


ムッとしてそう言うと。


「なに?可愛い〜」


「離せバカ!」


いきなり肩を抱かれて大声をあげた。



「おい、てめぇ人の女に何してんだよ!!」


「…ぃ…てっ!!」


思いっきり顔を歪めたチャラ男の背後には…


冷たい表情をした自意識過剰男。