「涼ちゃんは入院して2年になるっていう事は知っているわよね?涼ちゃんは、重い病 気よ。手術も何回した事か。でも、治らないのよ・・・・」







凛さんは、目に涙を溜めて静かに言った。






「何の、病気なんだよ」





俺は震える声で尋ねた。









―本当は聞きたくねぇ、聞きたくねぇよ・・・・。






でも、俺が涼のことを知らないでどうする?



―俺が涼の全てを受け止めなくてどうする。









俺は覚悟を決め、凛さんを真面目な顔で見つめた。




















「心臓病よ。次の手術で最後よ。助かる確率は・・・・・・・0に近いわ」






凛さんの言葉に、俺の身体が凍りつくのが分かった。










「しん・・・・ぞう、びょう・・?」




俺は口に手を当て、声を絞り出した。












「えぇ」








凛さんは俯きながらに言った。








・・・・どうして・・・・











どうして涼なんだよ。









あの笑顔が消えるかもしれねぇって?








ふざけんじゃねぇ。









俺の目からは、次々に涙が溢れてきた。