―兄貴は1年前、“心臓病”で死んだ。








そのとき俺は中3になったばっかりで。







兄貴は病院に入院していて、家にはずっといなかった。







俺の受験がこれからというのに、兄貴は死んでしまった。







―兄貴は太陽のように笑う人だった。







俺はあまりにも突然の兄貴の死に、頭が混乱し、兄貴の死体に縋り付いて泣いた。







・・・俺はそのとき初めて“死”というものがどんなに恐ろしいものかを知った。






兄貴が死んだ次の日から、毎日が苦痛になった。





―近所の人の言葉が。





それが一番の“苦痛”



『大変ね・・・可哀想に、これ持って行って?』
『大丈夫よ、おばさんを頼ってね』



気を使い、あまり兄貴のことに触れてこない人。





俺はそれを“優しさ”なんて思わなかった。






―そんな毎日が大嫌いだった。