「あっ………」



そう思ったと同時に、嫌なことまで思い出してしまった。



「どうした?」


私の様子の違いに気づいたのか、顔を覗きこんできた。



「早く帰らないと…」



また怒られるっ…



ゆっくりと立ち上がろうとした時


「…なぁ」


「ん?」


男の子は私を見上げながら話す。


「おまえ、名は?」


「…エミリア」


「エミリアか…」


そして、そう呟いて立ち上がる。