久々の再開だった。
自然と笑みが零れてしまうのも無理はない。



尤も、この時間もすぐに終わりがやって来る。

もともとアーレイは遠征に征く途中なのだ。中間地点に位置するこの町で、大量の物資と食料を仕入れてまた戦地へ赴く。兵士に許された、つかの間の休息である。

―不謹慎な話ではあるが、これが最期の平穏になる者も居ないことはない。


そんな時間を、故郷で過ごすことのできる幸福を、アーレイは少なからず感じていた。

故郷に帰っても、戦争孤児だった彼には迎える者が居なかった。彼を迎えるものはただ一人、エトワールだけだった。

エトワールもまた孤児であり、今は町の仕立屋で働いていた。アーレイにとって故郷とはエトワールであり、エトワールにとって故郷とはアーレイだった。