やがて時は過ぎ、歌いつづける彼女のもとに、一国の騎士団を連れた王が現れた。


王はローレライの歌声にすっかり酔ってしまい、虚ろな瞳のローレライと共に愛の歌を歌いはじめた。

若い騎士が、王に言った。

「王様、それは魔女の罠でございます!」

正気に戻った王は、騎士に言った。
この魔女を殺すのだ。この魔女の歌に惑わされ、どれ程の船乗りが海に沈んだか。


騎士は頷くと、白い剣を抜き、ローレライに向けた。

その先は、一瞬の出来事に過ぎなかった。


ローレライの体は二つに割けた。
赤い血が飛び散って、ローレライは海に沈んだ。