アップルパイを焼きながらアーレイを待った。

ようやくドアがノックされる音を聞き、安心しながらドアを開けると、見知らぬ、軍服の青年がそこに立っていた。


「…エトワールさんですね。受け取ってください」


目を合わせようとしないまま去って行った彼に疑問を覚えながら、小さな包みを受け取った。

まさか、そんなことは。



一通の手紙と、綺麗な小箱だ。
恐る恐る封を切れば、見慣れた癖のある字。インクの染みが紙の端に滲んでいる。



『親愛なるエトワール』