翌朝、アーレイは、やって来た港からまた旅立って行った。

アーレイは騎士だ。あの千以上の兵士の誰にも負けないくらい強いのだ。
絶対に死んだりはしない、と、エトワールは信じた。


本当は、別れるのがこんなにも辛いなんてと泣き叫びたかった。

せめてあの夜がもう少し長く続いてくれていたなら。


――一度会ってしまったら、離れがたくなる。孤児院の先生がそう教えてくれた。
とある詩集の言葉だ、と言っていた。なんという詩人が作った詩であったかは忘れてしまった。