朝焼けが少女の横顔を照らし出した。

夜を割って現れた太陽が、光の線を水平線の向こうに描いている。


少女は待っていた。

じっと波間を見詰めた。運河が海へと注ぐその港で、彼女は朝焼けに目を細めながらも、ただじっと遠くを見詰めていた。


少女は桟橋に一人佇む。

遠くに帆船が見えた。甲板から、聞き慣れた声がする。少女の名を呼ぶ懐かしい声。
それを聞いた少女の顔に、零れるように笑みが広がって行った。