「ねぇ…櫻庭先生(センセ)…??????」


俺は大学を卒業するまで
家庭教師のアルバイトをしていた


「私が高校に合格したら、先生はもう来なくなっちゃうの?」


静かな夕暮れ時、
ある一人の女子生徒が
切なげに俺に言った
彼女の名前は美保(みほ)15歳


「そうだなぁ…」


俺はほお杖をつきながら


「俺も社会人になるし、もう教えてやることは出来なくなっちまうだろうな」


やっとのおもいで取り付けた内定


社会に出る期待と不安の中

大学4年の俺は


残り少ない学生生活を送っていた


「シャカイジン…?」


「なんだか櫻庭先生が遠くに行っちゃうみたいで嫌だなぁ」


美保は続けた


「美保、勉強頑張りたくないよ」