「昨年に引き続き、学年委員長になりました。七瀬舞波です。今年も頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致します。」

新学期が始まり、私は去年に引き続きクラス委員・学年委員長になった。

「七瀬ー!今年も頑張れよ!」

爽やかに笑いながら手を叩いているのは、安東隆海先生。

全然違うなぁ......

本当に私の隣の部屋にいる人は安東先生なのかな?って疑問に思ってしまう。

安東先生も去年に引き続き、学年委員の顧問をしている。

ついでに言うと、私のクラスの副担任もしている。


「安東先生。」
委員会が終わり、職員室に戻ろうとしている先生を引き止めた。

「ん?何?」

「これ、先生の部屋の鍵です。お返しします。」

と言って、先生に鍵を返そうとした。

でも、先生はニッコリ笑って

「それ、七瀬が持ってて?」と言った?

えっ?何で?

「その鍵使って良いから、今日の夕飯作っててよ。」
はっ?夕飯?

「よろしく。お母さん?」
そう言って、先生は職員室に戻って行ってしまった。

夕飯作りとか、本当に恋人みたいじゃない......
って、また先生、私の事お母さんって言った!?

......何作ろうかな?
ハンバーグ?肉じゃが?
とびきり美味しいやつ作ろう。

「舞波ー。」
友達の亜希が飛び掛かってきた。
「今、安東ちゃんと何話してたのー?」

見られてた?

「何でもないよ。ほら、帰ろう?」
亜希とは何でも話せる程仲が良いけど、流石に隣の部屋に安東先生がいるって事は言わない方が良いよね?

「ねぇ。舞波の家行きたい!」
えっ?私の家......?
そういえば、まだ片付けてない......

「まだ、片付いてないから、綺麗になったら呼ぶよ。」

「えー。まぁ、いいや。じゃあ、今日どっか遊びに行こう!カラオケとかどう?」

遊びたいけど、先生のご飯作らないといけないし......

「今日はやめとくよ。早く片付けないといけないから。」

「そっかぁ。じゃあまた今度だね。」

ごめん.......亜希!