「えっと......俺の彼女になってくれるっていう事で、OK......?」

暫くして、先生がそう聞いてきたから、私は顔を真っ赤にしながら、小さく頷いた。

「卒業まで内緒の恋愛だから、舞波には迷惑かけるかも知れないけど......絶対に幸せにするから。」

先生はそう言って、私を優しく抱き締めた。

「夢みたいです......」

私が言うと、先生はまたキスをしてくれて

「これで、夢じゃないって信じてくれた?」

って......



夢じゃないのが嬉しくて......嬉しくて......また涙がでた。

「あーもー!また泣くんだから!」

そう言って、私をギュッと抱き締めて

「俺は、舞波の笑顔が好きだから、笑って?」

って耳元で囁いた。

私は涙を拭って、とびきりの笑顔を見せた。



「可愛い。やっぱり、笑顔の舞波の方が好きだよ。」

恥ずかしい台詞をサラッと......



そういえば、舞台の途中で抜け出して、まだ王子様とお姫様の格好のままだった!

「ねぇ......先生?そろそろ戻った方が......」

私がそう言ったら、先生はちょっと待ってって言って、その場に膝をつき、私に手を差し延べて

「舞波、私の彼女になってくれませんか?」

答えは決まってる。

「はい。喜んで。」

私は先生の手をとった。

「じゃあ、誓いの口づけでもする?」

......

小さく頷く私に、先生の顔が近付いてきて、二人の唇が触れ合う......

ところで

(校内放送)

「七瀬舞波さん、安東隆海先生は至急体育館まで来て下さい。」


「「......。」」

私と先生は、顔を見合わせて笑い

「戻るか?」

「はい。」

手を繋いで、屋上をあとにした。