ー隆海サイドー

ゴンッ。とした鈍い音の後、頭に激痛がはしった。

いてぇ......

「大丈夫ですか?」
慌ててるような、女の声が聞こえる。

この声、どっかで聞いた事あるような......?

顔をあげると、そこには七瀬がいた。

あれ?お前の部屋は隣だろ?

「何でいるの?」
って、聞いたら、アラームがうるさかったから。って......
鍵も掛けてなかったとか、軽く怒ったように言われた。

昨日は、記憶がなくなるまで、飲んだからな。

「ははっ。危ねー。危ねー。」
人事のように、笑って言うと、七瀬はまた怒ったような、呆れてるような顔をして......
でも、すぐに恥ずかしそうに顔を赤らめて。

「あの......先生、さっきのって......」

さっきの?やべぇ。全く覚えてない。
ただ、なんとなく幸せな夢をみていたような気はするけど。

「俺、何かした?」
って聞くと、い......いいえ!と下を向いて、ホッとしたような、ちょっと拗ねてるような顔になって......

本当に表情がコロコロ変わるな。 面白いというか

......可愛い。

......って、可愛いってなんだ!?七瀬は、生徒だぞ!

でも、なぁ......

......。
まだ俯いたまま、顔を真っ赤にしている七瀬を、俺は暫く見つめていた。