「シンデレラ!掃除は終わったの!?まだ汚れているわよ!」

「シンデレラ!代わりにこれやっておきなさいよ!」



継母と義理姉役の人達怖い......

絶対に演技じゃなくて、本気でしょ......

私、何か悪い事したのかな?やっぱり、シンデレラやりたかったとか?
それならそうと、言ってくれれば変わるのに......



場面は、継母と義理姉達が舞踏会に向う所になった。もう少しで、魔法使い役の先生の出番になる。

「シンデレラ!私達は舞踏会に行くから、お前は家の仕事をしているのよ。」


「シクシクシク......私も舞踏会に行きたいわ......」

この後に、先生が登場するんだよね?

「どうしたんだい?シンデレラ。」

ん?
あれ......
この声は先生というより、智也のような気がする......

でも、まさかねぇ?
智也は王子様役だし。


「私も舞踏会に行きたいのです。」

私は俯いていた顔をあげた。
そこには......

やっぱり、先生ではなく智也がいた。

!?
何で、智也が魔法使いなの?

それじゃあ、先生は......?

「智也。ちょっと......」

と私は、小声で話かけたけど、智也は軽くウインクして、芝居を続けた。

何か、疑問はいっぱいあるけど、とにかく今は芝居を続けなきゃね......



「さぁ、シンデレラ。これで舞踏会に行けますよ。ただ、12時までには帰るのですよ。12時の鐘が鳴ったら、魔法が解けてしまいますからね?」

「はい。分りました。12時前に必ず帰って来ます。」


こうして、私は舞踏会に向かった。