校内パトロールが終わって、午後まで自由時間になった。



とりあえずまずは、着替えないと!

急いで更衣室に行こうとする私の腕を、先生が掴んだ。

なんだろう?

「先生?」

って私が言うと

「午後の演劇まで、一緒に周ろう。」

って......

夢じゃないよね?
どうしよう!凄い嬉しい!

「は......はい!」

って言ったら、先生はニッコリ笑って

「勿論、この格好のままでな。」

......え?

この格好のまま?



「着替えましょうよ!」

私はそう必死に訴えたけど......

先生は

「宣伝!宣伝!」
って......

助けて!智也!

って、あれ?
いない......



「ほら、行くぞ!」

魔法使いに連れられる、シンデレラが一人。



「まず、文化祭と行ったらここだよな。」

先生の足が止まった場所は、お化け屋敷だった。

......無理。

お化けは怖くないんだよ?

ただ、私は......

「ほら、入るぞ!」

「えっ?ちょ......」

私は先生に強引に中に連れて行かれた。



「キャー!嫌だぁぁぁ!」
私の悲鳴。

周りにいた生徒や外部の客は、そんなに怖いのかと、お化け屋敷に並び始め、お化け屋敷は長蛇の列となった。



5分後

グッタリとしながら、私と先生は出てきた。

あー。怖かった......

いつの間にか、涙も出てた。

先生は心配そうに

「七瀬、大丈夫か?ごめんな......お化け屋敷苦手だったんだな......」

いや......
違うんです。
お化けは平気なの......

ただ、私

「暗所恐怖症なんです......」

暗い所が、どうしても苦手......

「そうだったのか。」

先生はそう言って、私の頭を優しく撫でてくれた。



先生。
ずるいよ。

私......これ以上優しくされたら、先生への気持ちを隠せなくなっちゃうよ?